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サムスンディスプレイ、次世代XR用高解像度OLEDoS マイクロディスプレイの開発

サムスンディスプレイ研究チームは、SID( Society for Information Display )公式ジャーナルの”J. Soc. Info. Display”に最近寄稿した論文を通じて4032PPI(pixels per inch)を実装した次世代OLED-on-Silicon( OLEDoS )マイクロディスプレイを開発したと明らかにした。今回の技術は、仮想現実(VR)、混合現実(MR)、拡張現実(AR)など次世代XRデバイスに最適化されたパネルで、高解像度と画質を維持しながらもシステム電力消費とクロストークを画期的に減らしたのが特徴だ。

1.3インチサイズのこのパネルは4032PPIの超高解像度を実現し、肉眼ではピクセル区分が不可能なほど精密なイメージを実現する。これにより、VR・ARガラスのScreen Door Effectを最小化し、没入感のあるコンテンツ体験を可能にする。 2024年に発売されたApple Vision Proのディスプレイは、1.42インチ、3391PPIの高解像度ディスプレイが適用された。

この論文では、高解像度実装のために7T1C ( 7個のトランジスタと1個のキャパシター)構造のピクセル補償回路構造が紹介され、これは前世代の6T2C構造の欠点を補完し、電圧偏差に強い設計を実現したと詳細な技術 説明した。

従来の6T2Cピクセル構造は、高解像度実装で小型トランジスタ間のしきい値電圧(Vth)偏差とイメージ歪み問題を 引き起こしてきた。そのため、サムスンディスプレイが新たに考案した7T1C構造は、次のような主な利点を提供する。

  • Vth補償精度向上:しきい値電圧偏差による輝度ムラを±2.75%に抑える(既存±10.6%)
  • 水平クロストーク減少:2.0%→1.3%
  • 単一キャパシターベースの面積効率の最適化
  • SRU( short range uniformity ) 向上: 97.3% 確保 (既存 90.4%)

また、データ駆動方式においても改善がなされた。従来の6T2C回路は、フレーム毎にデータラインを充放電しなければならず、消費電力が大きかったが、7T1Cは単一充電方式で消費電力を大幅に低減した。たとえば、同じフルグレー(full gray)パターンでソースICの消費電力は120mWから0.1mWに減少しました。

また、8V CMOSベース設計により動作電圧を下げながらも、従来比約50%以上の電力効率を確保した。

サムスンディスプレイは昨年、RGB OLEDoSとホワイトベースのOLEDoSを同時に開発するデュアルトラック戦略を公式化したところ、今回の4032PPIパネルはその技術力の欠実と評価される。今回の開発製品の量産時期は発表されていないが、当該技術は次世代XRデバイス市場の発展を加速する重要な契機になると期待される。

論文情報: J Soc Inf Display , 1–9 (2025) 。 https://doi.org/10.1002/jsid.2067

                     SID 2025 Digest 1424(P-8)

[4032-PPI 1.3-i nch OLEDoSの参考画像と仕様]

Changho Noh, Analyst at UBI Research  (chnoh@ubiresearch.com)

▶ UBIリサーチのマイクロディスプレイレポート

SamsungとLG Display、OLEDで「今年のディスプレイ賞」を受賞

韓国Samsung Displayと韓国LG Displayは、世界最大ディスプレイ学界である情報ディスプレイ学界(SID)で、OLED技術力を認められたと18日に発表した。

 

SIDが授与する「今年のディスプレイ産業賞(DIA、Display Industry Awards)」には、Samsung DisplayのQuad-EdgeフレキシブルOLEDが、「今年のディスプレイ(Display of the Year)」にはLG Displayの65型UHD壁紙OLED TVパネルが選ばれた。

 

SIDは、前年に発売された製品の中から、グローバルディスプレイ産業の未来を輝かせると期待される革新的なディスプレイ製品、部品、応用製品を選定し、賞を授与する。

<Samsung DisplayのQuad-EdgeフレキシブルOLED、参考:Samsung Display>

SIDによると、Galaxy S7 Edgeに搭載されたSamsung DisplayのQuad-EdgeフレキシブルOLEDは、業界では初めてディスプレイの上下左右全ての面に曲面の形を取り入れ、優れた技術力を示し、今年のディスプレイ産業賞を受賞した。.

 

この製品は、BM(Black Matrix)領域を最小化する設計技術を生かし、以前の製品よりベゼルの厚さを0.2mm削減、上下の端(曲率半径25R)を微細に変化することで、緩やかな曲線の形を完成した。また、審美性と握り心地の良さを実現するために、パネルの左右端に4段階の曲率(曲率半径35R→9.4R→5.4R→3.8R)を採用した。

 

今回の受賞について、Samsung Displayチョン・ソクジンマーケティングチーム長(常務)は、「Samsung Displayは、フレキシブルOLED製造に向けた最先端技術を基に、市場で独自の製品を提供してきた。 Quad-EdgeフレキシブルOLEDの開発で、引き続きディスプレイ市場をリードすることができて嬉しい」と述べた。

<LG Displayの65型UHD壁紙OLEDパネル、参考:LG Display>

今年のディスプレイに選ばれたLG Displayの65型UHD壁紙OLEDパネルは、OLED技術を生かし、優れた高画質を実現した上で、更に応用範囲とデザイン面でもディスプレイの新しい可能性を開いた革新的な製品として高く評価された。

 

このパネルを採用したOLED TVは、CES 2017以外にも米Engadget、英CNETなど、世界的に有名なメディアからも、既に数多くの賞を受賞しており、先日の16日には米国消費者専門メディアであるConsumer Reportsから、歴代最高点の89点(TV評価)を記録したことがある。

 

65型UHD壁紙OLED TVに採用したOLEDパネルの厚さは1 mm にもならず、TV用セットとして製造した場合にも厚さ3.55mm、重量7.4kgしかならないため、額縁のように壁に密着できる。また、デザインの効果を最大化し、TV視聴時の没入感を高める。

 

LG Display研究所長ユン・スヨン常務は「LG Displayは、自社ならではの特徴的な製品、技術、主要力量を強化しながら、消費者の方々に新しい価値を提供してきた。今後も世界ディスプレイ産業を代表する企業として、次世代技術の発展に最善を尽くして貢献する」と語った。