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Bar chart showing the medium-large OLED market revenue reaching $20 billion by 2030 with a 74% growth rate.

中・大型OLED市場は200億ドル規模…モニター・車載分野が牽引、IT分野は価格面で「速度制限」

2026年から2030年までに中大型OLED市場の売上が74%増加することを示す市場展望の棒グラフ

中大型OLED市場の売上展望。2026年の約115億ドルから2030年には200億ドルへと約74%成長すると予想される。(出典:UBIリサーチ)

UBIリサーチが発行した「2026年 中・大型OLEDディスプレイ年間報告書」によると、中・大型OLED市場は2026年の約115億ドルから、2030年には約200億ドル規模に拡大する見通しだ。これは約74%の成長に相当し、年平均成長率(CAGR)は14.8%程度となる。

中・大型ディスプレイ市場では依然としてLCDが主流を占めているが、高解像度、高リフレッシュレート、高コントラスト比といったプレミアム性能への需要が拡大するにつれ、OLEDの採用が急速に増加している。ただし、今後の市場成長の道筋については、用途ごとに明確な違いが見られると分析される。その鍵となるのは、モニター・車載用とノートブック・タブレットPCとの間の消費構造の違いである。

モニターは、ゲーミングやコンテンツ視聴を中心とした利用環境において、OLEDの利点が直接的な購入動機につながる代表的な製品群である。高リフレッシュレートや素早い応答速度、高いコントラスト比といった特性が消費者にとって比較的明確に実感できるため、2030年にはモニター用OLEDが中・大型OLED市場全体の約26%を占め、成長の柱として定着すると予想される。

自動車分野もまた、OLEDの採用拡大に有利な構造を持っている。車載用ディスプレイは車両価格に占める原価の割合が低いため、OLEDの採用によるパネル価格の上昇が最終的なセット価格に与える影響は限定的である。特にプレミアム車を中心に、ディスプレイの大型化、曲面化、多面化が進み、デザインの差別化や高級化への需要が高まっていることから、OLEDの採用は急速に拡大すると見られる。つまり、車載用ディスプレイは高価なパネルの採用に伴う負担が相対的に小さいため、OLEDへの移行が比較的容易な市場であると評価されている。

一方、ノートブックやタブレットPCは、OLEDの普及が比較的限定的に進んでいる市場であると分析される。これは、これら2つの製品群がGPUやメモリ、ストレージなどの主要部品を中心に性能と価格競争力が決まる構造を持っているためである。こうした特性上、BOM全体の見地からコスト管理が非常に重要であり、特にメモリ価格のような主要部品のコストが上昇した場合、メーカーは製品全体の原価を収めるためにディスプレイの仕様を調整する戦略をとることが多い。

また、OLEDの採用により画質やコントラスト比、薄さ、デザインといった面で明らかな改善効果が認められるとしても、発売価格の上昇も併せて考慮すると、消費者が感じる付加価値は期待ほど大きく感じられない可能性がある。つまり、ディスプレイ性能の向上そのものよりも、価格上昇分を十分に相殺できる購入要因が形成されるかどうかが、市場への普及における重要な変数となる。

このような構造は、最近の事例からも確認できる。AppleはiPad ProにOLEDを採用し、タブレット市場におけるOLEDへの移行を試みたが、端末価格の上昇の影響により、販売台数は期待ほど伸びなかったとみられる。これは、OLEDの採用が技術的には競争力を備えていても、価格上昇が必ずしも需要拡大に直結するとは限らないことを示す代表的な事例である。

UBIリサーチ副社長のハン・チャンウク氏は、「中・大型OLED市場は2030年まで全体的に高い成長傾向を維持するだろうが、用途別の成長ペースには明らかな差が生じるだろう」とし、「モニターと自動車分野はOLEDへの移行を主導する中核市場になると予想される一方、ノートPCとタブレットPCは価格構造や主要部品のコスト変動の影響により、比較的緩やかな成長傾向を示すだろう」と述べた。

Changwook Han, Executive Vice President/Analyst at UBI Research (cwhan@ubiresearch.com)

▶2026年 中・大型OLEDディスプレイレポート

▶2026年小型OLEDディスプレイレポート

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タブレットPC、モニター、自動車、テレビ部門の2025年第1四半期の中・大型OLED出荷量, 前年同期比12.2%増加

2Q25 Medium-to-Large OLED Display Market Track

2Q25 Medium-to-Large OLED Display Market Track

UBIリサーチより発刊された『2Q25 Medium-to-Large OLED Display Market Track』によると、2025年第1四半期OLEDパネルメーカーの中大型OLED出荷量は、2024年第1四半期比で12.2%増加し、売上高は17.1%増加した。

メーカー別では、サムスンディスプレイとLGディスプレイの中大型部門の業績が前年同期比で増加した一方、中国パネルメーカーの業績は2024年とほぼ同水準を維持した。

アプリケーション別では、タブレットPC、モニター、車載用、テレビ向け出荷量がすべて増加したが、ノートPC向けパネルの出荷量はわずかに幅減少した。特に、車載向けパネルの出荷量は、2024年第1四半期の27万台から2025年第1四半期の81万台に3倍に増加した。特にサムスンディスプレイの車載用OLEDパネルの出荷量は10万台から54万台に大幅に増加し、LGディスプレイとBOE、Everdisplayは前年並みの水準を維持した。

BOEとEverdisplayだけでなく、中国のTianmaも最近車載用OLEDのプロモーションを展開し、顧客基盤を拡大している。2025年の車載用OLED出荷量予想は300万台で、2024年比20%増加すると見込まれている。

第1四半期のタブレットPC用OLEDの出荷量は195万台で、前四半期の220万台比で25万台減少した。サムスンディスプレイと中国パネルメーカーの出荷量は前四半期比で微減となったが、LGディスプレイはiPad Pro用パネルの生産再開により、出荷台数は第4四半期の30万台比で2倍以上となった。

Changwook HAN, Executive Vice President/Analyst at UBI Research (cwhan@ubiresearch.com)

▶Medium & Large OLED Display Market Track

Foldableスマートフォン、タブレットPC市場を飲み込めるのか

「Foldableスマートフォンが発売を開始、本格的な実用化が進んだら、高価なタブレットPC市場は消滅してしまう可能性がある」

先日26日に韓国ソウルにあるコンベンションセンターコエックスで開催された「OLED最新技術動向セミナー」で、UBI Researchイ・チュンフン代表は、最近話題になっているFoldableスマートフォンについて、このような発言をした。

イ・チュンフン代表は「Foldableスマートフォンは7.2型ディスプレイが半分に折りたたまれ、5.2型ディスプレイとして実現できると見込まれる」とし、「さらに外側には、時間やその他情報が確認できるバー型ディスプレイが追加される」と述べた。

また「Foldableスマートフォンは、停滞されているスマートフォン市場を活性化させるモメンタムを提供するだけでなく、ディスプレイ画面のサイズ拡大による、パネルの数量不足を改善するための新規投資機会も提供できるというポジティブな側面がある」と分析した。

一方、「Foldableスマートフォンが発売され、実用化を迎える場合、高価なタブレットPC市場が消滅してしまう可能性がある」と述べ、「Foldableスマートフォンは現在Appleが先駆けているタブレットPC市場を飲み込める」と説明した。

続いてFoldableスマートフォンは、一般のスマートフォンに比べて画面が大きいため、4Kの実現も可能になると予測した。現在、QHD解像度に留まっているOLEDスマートフォンは、マスクと配線の広さ、エクスポージャーの問題によって、5年内に実現することは難しいと考えられる一方、Foldableスマートフォンは、このような問題から自由であると伝えた。

最後に、Foldableスマートフォンが市場における成長要因として、価格に対する消費者の負担軽減と専用アプリケーションやコンテンツの開発、動画配信(ストリーミング)など、データを転送するための5G通信技術の急速な定着を挙げた。

イ・チュンフン代表は、Foldableスマートフォン用OLEDの出荷量について、2018年に10万台、2022年には283万台に達すると予測した。

<Foldableスマートフォン用OLEDパネルの出荷量展望、参考:Q2’18 OLED panel market track @UBI Research>