Shoei GT-Air 3 Smart featuring an OLEDoS HUD that projects navigation and speed in the rider’s field of view

OLEDoS技術で進化したスマートヘルメット、Shoei GT-Air 3 Smart公開

日本のプレミアムヘルメットメーカーであるショウエイは、フランスの拡張現実専門企業アイライトと協力し、世界初の完全統合型拡張現実ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display, HUD)ヘルメットであるGT-Air 3 Smartを発表し、スマートヘルメット市場の新たな基準を提示した。今回の新製品の核心は、ソニーのOLEDoS マイクロディスプレイを採用したHUDである。

Shoei GT-Air 3 Smartのバイザー内にHUD情報を投影

ライダーの視界へ走行データを投影するGT-Air 3 Smart(出典:SHOEI)

従来のLCDやプロジェクション方式はサイズ、重量、消費電力、輝度において限界があった。ヘルメットという限られた空間でライダーの視界を妨げず鮮明な情報を提供するためには、超小型・高解像度・低消費電力を同時に満たす必要があった。シリコン基板上にOLED画素を集積したOLEDoSは、小型でありながらフルカラーFHD解像度と3,000ニットの高輝度を実現する。これにより直射日光下でも完璧な視認性を確保し、ライダーは速度、ナビゲーション、通知を直感的に確認できる。

HUD情報はライダーの視界約3メートル先に投影され、焦点調整の負担を軽減し反応速度を32%短縮する。バッテリー効率も改善され、混合使用で10時間以上の持続が可能となり、発熱が少ないため内部電子部品の信頼性も向上する。何よりOLEDoSの小型化特性により、ヘルメット重量を大幅に増加させることなくHUD、オーディオ、通信モジュールの完全統合が可能となった。

ショウエイはAIM(Advanced Integrated Matrix)シェル構造、換気システム、フェイスシールドを採用し、EyeLightsの通信技術と組み合わせた。これには無制限距離・無制限ユーザーのインターコム、アクティブノイズキャンセリングマイク、Siri/Googleアシスタント対応が含まれる。

ユービリサーチの分析によると、今回の発表はショーエイが保有する関連特許(US Patent 12,342,893およびEP3888482など)とも密接に関連している。これらの特許は、ヘルメットにHUDを統合する光学構造とスクリーン装置に関する権利を保護している。発光源と反射光学系を通じてライダーの視界に仮想画像を形成する構造を説明しており、表示素子を特定の技術に限定せず、OLED、MicroLEDなど多様な実装を含むように設計されている。実際の製品ではOLEDoSが選択され、特許で定義された構造的要件を最も効果的に満たす技術として採用された。

GT-Air 3 Smartは2025年のEICMAで公開され、2026年夏に発売予定である。米国での価格は約1,199ドルと発表され、ショウエイは3年以内に売上300億円、数億円規模の営業利益達成を目標としている。

GT-Air 3 SmartはHUD、通信、オーディオ、AI機能を完全統合した初の商用ヘルメットであり、OLEDoS技術によってライダーの視認性と反応速度を革新する。今回の発表はヘルメット産業のパラダイムを変える重要な節目として評価され、スマートヘルメット市場の未来を先導する出発点となる。

EyeLightsのHUDモジュールとSony製OLEDマイクロディスプレイ

Sony製OLEDマイクロディスプレイを用いたEyeLightsのHUD(出典: EyeLights)

Changho Noh, Senior Analyst at UBI Research  (chnoh@ubiresearch.com)

▶ UBIリサーチのマイクロディスプレイレポート

※ 本コンテンツはUBIResearchNetが作成した記事です。
無断転載および出典のない引用を禁じます。
引用の際は必ず出典(UBIResearchNet)とリンクを明記してください。